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更新履歴、拍手の返信、時に明星について鬱陶しいほど語ってみる
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 インフォシークのサービス停止に伴って行きつけのあんなサイトは友人のこんなサイトが移転したり閉鎖したりと微妙に慌しい昨今のネット同人界ですが、たった今、凄く好きだった創作水滸サイトさんも閉鎖されていてもうガッカリどころの話じゃない簾屋です。
 ショックを紛らわすため、簾屋式水滸の話をちょっとします。相変わらず樊姐さんの下僕その一(項充君、と言いなさい)の設定が出来ていないので、番外編で四方山な話でも。



 前回の番外編では水滸の四悪女、特に藩金蓮をどう扱うか、という話をしましたが、今回は創作水滸を描く上での最大の障害についてモソモソ語ります。
 最大の障害。
 そう、それは、翻案をする上でどうアレンジするか力量が問われる、水滸伝中の凄惨なイベントの数々!
 具体的には、以下の五つです。

 1、武松による鴛鴦楼殺戮事件(原典第三十一回)
 2、秦明の一家謀殺事件(原典第三十四回)
 3、李逵による扈家荘殺戮事件(原典第五十回)
 4、李逵による小衙内殺人事件(原典第五十一回)
 5、董平による程万里一家殺害及び程氏誘拐事件(原典第六十九回)

 内二つがリッキー下手人なのは、これはもう仕方のない事ですね。だってリッキー、天殺星だもん(と、公孫勝殿の師匠の羅真人様がおっしゃっておりました)。
 さて、まず各事件についての解説を。
 1の武松が鴛鴦楼で大暴れした件。孫二娘姐さんの酒店がある孟州に流罪になった武松は、そこの偉いさんに陥れられ濡れ衣を着せられました。で、再び流罪になったところを武松さんは脱走し、鴛鴦楼って所で飲んでいたその偉いさん、その女房、部下、鴛鴦楼の従業員総勢十五人を殺しまくりましたとさ。
 2の秦明さんの件。これは宋江さんが酷いんですよ。青州軍の指揮官だった秦明さんを仲間に引き込みたいがため、清風山の皆さんと一緒になって秦明麾下の青州軍の振りをして青州で強奪・殺戮三昧。で、その後青州に帰還した秦明さんは当然賊の仲間とされ、奥さんの首を切られてしまう。それでどうしようもなくなって秦明さんは清風山に投じ、「あんた酷い事を!」と宋江さんに苦情を申し立てたら「奥さんが亡くなられたなら、ちょうど花栄君とこに未婚の妹さんがいるから、仲人してあげましょう」と来た。それで納得するなよ秦明さん。
 3の扈家荘殺戮事件。リッキーの悪行の一つ。祝家荘戦で扈三娘が梁山泊軍の捕虜になったあと、扈成兄ちゃんが梁山泊側に「すんません妹返してください」と降伏。梁山泊側もこれを受け入れたのだが、最終決戦の時にそんな事を了解していないリッキーが暴走し、扈家荘で大暴れ。扈三娘の一家(扈成兄ちゃん)以外を皆殺しにしてしまう。
 4の小衙内殺人事件。水滸伝で最も悲惨な事件です。滄州に流罪になった朱仝さんはそこの知府の坊ちゃんに気に入られ、遊び相手になります。が、そこに「助けに来たよ!」と相棒の雷横登場。いやいや俺梁山泊なんか行かないよ、ちゃんと刑期を全うして真人間に戻るんだから! と勧誘を拒否したら、よりにもよって雷横はリッキーを連れていた! 折りしも朱仝さんは坊ちゃんを連れて遊んでいた時、坊ちゃんはリッキーに連れ去られて林の中で頭をかち割られていた! 坊ちゃんには何の罪もないのに! 何て事するんだ、リッキー!
 5のとうへいへいDQN事件(ってか、ここをご覧の方は『とうへいへ~い』なんて聞いた事なかろう)。梁山泊の北にある東平府で武官をやっていた董平って人は知府のお嬢さんと結婚したかったんだが、知府の程万里が許してくれない。口では上手い事言ってのらりくらりとかわすだけ。で、ちょうど攻めてきた梁山泊の連中に勧誘された董平は、東平府の制圧を手伝うと同時に程万里一家を殺し、お嬢さんをさらったのでありました。お前、嫁と穏やかな結婚生活を送りたくないのか。

 以上がとっても大雑把な五つの事件の概要ですが、さてこの五つの事件、日本の翻案物でどうなっているか。簾屋が読んだ北方水滸、悲華、絵巻(これは、現物をちゃんと読んだわけではないのですが)で見ていきます。

 ・北方水滸…武松が流罪になっていないので1は削除。秦明殿も結婚していないので2も削除。扈家荘炎上は扈太公の自殺。4は華麗に削除。5は、董平が逆に程お嬢さんに言い寄られてふった、っていう改変に。
 ・悲華…1は武松さん酔った上での凶行。2は発生、しかし宋江殿は関与せず(むしろ自害しようとした秦明殿を助けている)。3は、リッキーではなく祝家の連中にやられていたような。4は華麗に削除。5は、もっと穏当な形で発生、梁山泊の皆の気遣いのおかげで、董平さんと程郁お嬢さんは真っ当な新婚生活に入れました。
 ・絵巻…1はガチで発生。2は、宋大兄が関与していない形で発生。3はちゃんとリッキーが暴れてました。4がね……酷いのよね、これ。ガチでやるんだもん。朱仝さんが可哀相だ。そして5。とうへいへいが暴走してました。

 そう、絵巻水滸は「水滸伝の血生臭いところもちゃんとやる」という方針らしいので、あんな事件やこんな事件をガッツリやってます。凄いよ絵巻水滸! 小衙内事件を真っ向から取り組んだ翻案物なんて初めて見た!(吉川水滸も柴錬水滸も読んでいない奴が何を言うか)
 で、肝腎のここの創作水滸。簾屋がどうするつもりでいるかと言えば、

 1:鴛鴦楼での血の雨は降っていただく。が、もちろんある程度改変します。具体的には下手人を変えます。誰にするかはまたいずれ。
 2:秦明殿の設定を変えてしまったので、この事件については削除。本当はギャグテイストで「危うく私も嫁も死ぬところだったぞ花栄!」とやらせたかったんだけどねぇ。
 3:簾屋式李逵は、簾屋式戴宗さんがしっかり手綱を握っています。だから、リッキーの扈家荘殺戮事件は起きません。いや、リッキーは大暴れしますけどね、違う形になりますよ。
 4:朱仝さんには滄州に行ってもらいます。坊ちゃんにも登場してもらいます。でもって雷横さんとリッキーにも滄州に行ってもらいます。あれ、小衙内事件の発生条件が揃っちゃった! だから事件は起きます。しかも血生臭いです。でも、まるで別の事件になります。ちっちゃい坊やを殺す事件なんて、いくら簾屋が凄惨大好きだからって書けねぇよ! チキンでゴメン!
 5:簾屋式董平さん、実は女性なんで。だからDQNな事はしません。というか、「東平府と東昌府、同時に攻めて先に落とした方が頭領ね」なんてイベント発生させませんから。だから董平さん入山イベントは相当おかしな事になっている。


 しかしこれら五つのイベント、洋一はどうするつもりだったのかな……。
 エグザムライは今日だけど、やっぱり明星読みたいなぁ。
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