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更新履歴、拍手の返信、時に明星について鬱陶しいほど語ってみる
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 すっごい久しぶりに語ってみるアンソロ中編裏話。
 とはいえ何を語ればいいのか最早あやふやだから、適当に語ってみるよ!
 えーと、前回の振りからだとネタは背景設定関連? 明星の二次書きさんに需要があるかどうかは分からないネタだけど、とりあえず行ってみよう!

 その前に、拍手ありがとうございました!




 えーと、とりあえず作中に出てきた順から説明をしよう。


 1、公田法について
 提出したバージョンでは詳しい説明を省きましたが、公田法において私有地が公田に組み込まれるのには二パターンありました。
 一つは、作中で「インチキ測量」と書いたパターン。
 正しくは、「楽尺」という、普通の尺よりちょっと短いものを使って測量するのです。
 普通の尺よりちょっと短いから、当然、元々の帳面にあった数値より多くなる。そうなると、その多かった分を「おいおいお上の測量誤魔化してんじゃねーぞ、没収!」となる。
 もう一つが、売買契約書のパターン。
 これはちょっとややこしいんですが、お上はその土地の所有者Aさんが持っている売買契約書を調べ、その土地が誰の手を渡ってAさんのものとなったか、全て明らかにならないと公田にされてしまいました。
 どういう事か。
 Aさんの前のその土地の所有者はBさんでした。Bさんの前はCさんで、Cさんの前はDさんでした。
 D→C→B→Aという所有権の流れが明確に判る、DさんとCさんが交わした売買契約書、CさんとBさんの契約書、BさんとAさんの契約書、この三つ全てが揃っていないと、その土地はAさんの土地とは見なされず、公田として巻き上げられてしまうのです。
 とんでもねぇなあ、おい。
 この法律は、前身のものが1112年から適用され、公田法として各地で適用されたのは1116年。
 ちなみに『マージナル~』作中は1111年十月かそれくらいの設定。
 あれ、おかしな事になってるね!
 更におかしいのは、公田法が漁利や漁船などにも適用されるようになったのは、1121年。
 この年号にピンと来た貴方はもう水滸ヲタ。
 そう、この年は宋江の乱(史実・水滸伝元ネタ)が平定された年である。
 宋江の乱が平定されて、梁山泊が平和になったから、官の連中は安心して公田法の拡大適用を行なった。そんな事ばっかやってるからお前ら方臘にあわあわさせられたり金にボコられるんだよ。
 どちらにしろ、1111年には「船出したら金取られる」なんて事態にはなっていません。捏造してごめんなさい。
 ちなみに公田法で課せられた税金が公田銭と呼ばれ、これが現金徴収だったのは事実です(手元の資料が確かなら)。でもそれが銅銭十貫なのかは不明です。適当ともいいます。『宋史』を紐解けば載ってるのか。だから漢籍読めないって。

 2、銭について
 宋代の基本的な貨幣価値から。
 原典を読んでいるとよく「銀一両」だの出てきて、かと思ったら「十万貫の宝物」。いやいや銀一両って銭でいくらよ! と叫んだある日の夜。職場の図書館で調べたけど見つからねぇしもうどうしよう、と困った挙句にググったらあっさり出てきて何か色々笑えたなぁ。
 まあそれはさておいて。
 宋代で流通していた貨幣の価値は、大体以下の通り。

 銭1貫=銅銭1千枚=銀1両=金0・1両

 で、銅銭一枚の重さが3・7グラム。これが一貫=一千枚で3・7キロ。これが作中の支払い金額十貫だと37・3キロになります。小さな子供くらいの騒ぎじゃねぇ。
 何で「小さな子供くらい」としたかと言えば、十貫で37・3キロではなく26・8キロくらいかと計算したから。何故か? 省陌という制度があったからです。
 これが何かと言うと、国内で銅銭が足りなくなってきたから「百文に満たなくても百文として扱おう」というややこしいもので、手元の資料には「北宋末で七十二文を陌としていた」とあります。つまり百文が七十二枚で、一貫は七百二十枚。そうなると十貫の重さは大体26・8キロになる――
 と考えて「小さな子供くらい」と書いたんですが、更に色々読むと、どうもこの省陌というのは基本的に商業活動で行なわれていた様子。だから税金を収める時には適用されなかった、のかな。ううん、不勉強が露呈してしまった。
 ちなみに何でこんなややこしい制度があったかというと、宋の銅銭は海外流出しまくって国内の分が少なくなったからです。日本でも宋銭が通貨として使われた、って話もあるからね。
 そういえば、明星では一貫=一万円で計算していますが、これはやっぱり「銅銭一千枚ってつまり十円が千枚?」となったからか。でも実際問題として一貫=一万円なのかは怪しいところ。下級兵士の年俸が五十貫から七十貫というし。実際銅銭一枚は日本円でいくらくらいなんだろう。

 3、博打について
『マージナル~』で一番嘘を吐いた部分。
 ところで宋代に丁半博打はあったんだろうか……原典で李逵がそんなようなのをやってるからある形にしちゃったけど。
 だが、一番大嘘を吐いたのは骨牌。
 骨牌は確かに存在し、それを使ったゲームもあるのだが、それは決して、簾屋が作中で書いたポーカーもどきのゲームではない。
 ……いや、本当はですね、麻雀もどきのゲームで書きたかったんですが、簾屋は麻雀を知らないので書けなかったのです。この時ほど麻雀を知らない己を呪った事はない。
 天牌、地牌、人牌は骨牌の牌の種類です。風牌は麻雀の牌の種類。絵札的なものだったっけ。適当だなあおい。
 ちなみに早上がりは脱衣麻雀の基本戦術だそうな。
 そしてこの話、「カウンティング」という単語を使えない事にどれだけ泣いた事か。


 えーと、書くべき設定関連はこんなもんだっけ……?
 テーマ曲の話もしときたいけど、時間がないからまた今度。
 次回があったら、次は本丸、ストーリーの話でも。
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