何故貴様が都頭なのか

　先日の日記でボソボソ言っていた「名探偵・呉用先生」について。
　書けそうなネタを思いついたので、現在、鋭意プロット組み立て中です。
　が――現在、マジで困ってます。何てこった。まさかこんなところで困らされるなんて！
　何があったか、詳細は下記リンクから。


　その前に。
　拍手ありがとうございました！

　簾屋が書くものは基本的に「似非」とか「何ちゃって」がつくわけだから、思いついたのも純然たるミステリー、探偵物とは言えないと思うのですが。
　ただそれでも、どんな事件が起こるか、探偵役の呉用先生がどう動くか、誰が犯人で、どんな伏線を敷いて、どんな解決を見るのか。そこは、もう頭の中にあります。プロット組み立てて書くだけです。
　が、大問題が一つ。

　県管下の村で事件が起こると、その県の都頭が乗り出してくるんだろうなー。

　――と思った瞬間、簾屋の物書き脳がフリーズした。
　以下、その時の思考。

　簾屋（都頭！？　明星登場の都頭！？　鄆城の都頭！？　っつったらアレじゃない！　え、マジで！？　マジでアレを介入させちゃうの！？　ちょっと待ってちょっと待ってちょっと待って、あれが介入、ってそれまともな解決にならない！　まともな解決をしても県城に送ってからが極めてヤバい！　大体知県がアレだし！　まともに済州府に送れるの、あの人！？　うっわーどうしよ、都頭、無視する！？　何で明星登場の都頭が朱仝さんと雷横さんじゃないの馬鹿ー！）

　では、説明。
　明星では「警備隊長」とザックリ説明されていた「都頭」ですが、原典を読むと都頭の仕事は「管内の巡回」「不審者の拘束」「犯罪者の拘束」「時々上司のお使い」などなど。そう言えば、吉川版かどこかじゃ「岡っ引き」と訳されてるんでしたっけねぇ。まあ、いわばそういう職種なのですよね。
　で、保正は自分の村の犯罪をある程度取り締まらなきゃならなかった。通報義務もあったのかな？　保甲法、ちゃんと調べとかなきゃなあ。まあいいや、ここじゃ通報義務がある、としておきます。
　となると、ですよ。

　あの趙能が東渓村に乗り込んできて晁蓋さんと何やかややり取りしたりあまつさえ賄賂を要求したりするのですよきっと。

　うわぁ……ミステリ的なものを書くつもりが、何が悲しくて宋代官僚制の腐敗っぷりを書かなきゃならんのか。
　大体あの野郎、県尉（ざっくり言えば、県の警察行政のトップ。都頭の上役、という見方でＯＫかな）の息子だし。犯罪捜査に関わってこないわけないんですよ、趙能、と言うか趙親子が。
　で、原典ネタを一つ付け加えると、趙能には実は弟がいるんですよ。
　名前を趙得。
　双子かどうかは知らない。

　……………………

　鄆城は……鄆城は、腐ってる……！
　ああ分かってる、そりゃ県役所には押司で宋江さんがいるさ。「上級書記」とか説明されるからね、胥吏の中じゃそこそこ発言力があるんだろうさ。でもさ、晁蓋さん側につきそうなのが宋江さんオンリーって、なんぼなんでも分が悪くない！？　これじゃあ冤罪事件が起こって晁蓋さんや呉用さんが「こいつが真犯人だ！」って言っても、趙親子と知県は取り合わないじゃないのよー！（賄賂を積めば話は別だろうが）
　うわぁ……書きたくねぇ、趙能なんか書きたくねぇ……そして出来れば知県の鄭さんも書きたくねぇ……！
　ああ、何で朱仝さんと雷横さんのでこぼこ都頭コンビが出てこなかったんだ……！　あの二人がいてくれれば、どんな事件が起こったって私は安心して書けるのに……！

　いやまあ、書きますけどね。もう面倒だから趙能などという雑魚の事など無視して書くか。それとも晁蓋さんと絡めるとそれはそれで面白そうだから出してみるか。
　とりあえず今月中のお目見えを予定しております。もうしばしお待ちあれ。