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更新履歴、拍手の返信、時に明星について鬱陶しいほど語ってみる
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 何かすごく久しぶりに萌え語りをするなぁ……。
 いや、今日、現在構想中の翠蓮ちゃん中編のストーリーラインをネチネチ考えていたら、何かうっかり萌えてしまうものを思いついたわけでして。
 せっかくなので、ここに書き散らしておく。


 その前に。
 拍手ありがとうございます。しかし返信はまた後日! お心当たりの方、ごめんなさい!



 ところで件の中編がどんなものかと言うと。
 ネタバレになるのですっごい適当になりますが、「翠蓮ちゃんが吐いてやつれてボロボロになって自分に幻滅して、それでも気合いで立ち上がる」話。どんな話だオイ。
 で、今日構想したストーリーラインの中で、翠蓮ちゃんがちょっと明星小七ちゃん(明星の話だから「明星」と頭につけなくてもいいと思うんだが、つけとかないと何か私の中でこんがらがる)と一緒にいるシーンがありまして。

 ……あれ?
 小七×翠蓮って、ちょっと良くない?

 小七×翠蓮略して七翠、ちょっと妄想を進めてみる(軽く小話風に)。


   §


 翠蓮はくたびれ果てていた。
 戴宗の事がずっと好きだった。今でも好きだ。好きで好きでどうしようもない。
 でも、疲れた。
 疲れたのだ。
 戴宗の方も自分を憎からず思ってくれている事は知っている。長い付き合いなのだ。それくらいは分かる。
 けれど、彼は自分の目的――復讐に手一杯で。
 翠蓮の事なんか、ちゃんと見てもくれなくて。
 せめて優しい言葉の一つくらい、と思う。けれど戦いは続いて終わる気配がなく、その長さに比例して戴宗の余裕はジリジリとすり減っていく。昔の戴宗さんは優しかった――そんな比較が成立してしまうくらいに、今の戴宗は、余裕がない。
 疲れた。
 もう、疲れた。
 戴宗の事が好きだ。ずっと好きだった。今でも好きだ。
 でも、もう、疲れた。

「……翠蓮ちゃん」

 膝の間に顔をうずめて声もなく涙を流す翠蓮を舟に乗せて梁山泊を漕ぎ渡る小七が、優しく穏やかな声をかけてくる。

「ほら、夕日が綺麗だよ」

 促され、顔を上げる。
 視界の左にある梁山を黒く塗り潰し、今、彼方の山の端に隠れようとしている夕日は、赤い残照を大地に、水泊に優しく降らせている。

「……本当」

 涙に濡れた声が、翠蓮の唇から漏れた。

「綺麗、ですね」

 そしてああ、と嘆息する。いつか、戴宗とこんなに綺麗な夕日を見た事があった。あれはいつだったろう。綺麗ですねと、今と同じ事を言った自分に彼は何と言っただろうか。にわかに思い出せない自分を、しかし翠蓮は責めなかった。あの人から優しい言葉をかけてもらった事はない。

「――なあ、翠蓮ちゃん」

 小七の穏やかな声が続いた。翠蓮は船尾に立つ彼に視線をやる。
 出会ってもうどれくらいになるだろう。初めて会った時から大柄だった小七だが、あの頃よりももっとたくましくなった。精悍になった。
 そして、あの頃の優しさや穏やかさを欠片も失っていない。

「ちい兄は、あいつと翠蓮ちゃんの事はほっとけ、って言うけど……俺は、やっぱりほっとけないから」

 と、照れたように頭を掻く小七。

「辛かったり、泣きたかったりしたら、さ、また俺に言ってよ。梁山泊(ここ)で一人になるなら、水の上が一番なんだから」

 ――翠蓮は、知っている。
 女というもののほとんどが等しく持っている微笑ましい狡猾さから、知っている。
 小七は、翠蓮に好意を寄せてくれている。
 いつからだったかは、よく判らない。けれど翠蓮はそれをある時不意に気付いた。そしてずっと気付かないふりをしてきた。彼女が恋してきたのは戴宗だったから。
 だが、もう疲れた。
 疲れたのだ。

「……ありがとうございます、小七さん」
「いいよお礼なんて」

 小七は、声も言葉も表情も、優しい。
 その優しさこそ、翠蓮が一番欲していたものだった。


   §


 全国の戴翠スキーの皆さんごめんなさい。すごくノリノリで書きました!
 ところでこの翠蓮ちゃん、まさか戴宗さんからDV受けてないよね? 何か「戴宗さんからDV受ける→泣いて金沙灘へ→そこで小七ちゃんと遭遇→乗せてもらった舟で泣く」っていう経緯が思い浮かびましたよ!? 違うよね、違うよね戴宗さん! 貴方、自分の目的が完遂できない苛立ちを翠蓮ちゃんにぶつけてなんかいないよね!?
 でもね、小七ちゃんはいいよー。何せ生存組だしね! しかも水滸好きだけど辛口すぎて一〇八人揃ったところでバッサリ切って七十回本を作った金聖嘆にだって誉められたしね!(ちなみに戴宗さんは「走るしか能がない」とこき下ろされていた。違うぞ! 原典戴院長はな、あのリッキーを抑えられる数少ない人材の一人なんだぞ!)
 真面目に言えば、小七ちゃんとくっついた方が穏やかな人生送れると思うよ翠蓮ちゃん。いや、明星じゃそんなフラグはどこにもなかったけど。
 それにしても小七ちゃんの口調がよく分からない。小五を「ちい兄」と呼ばせたのはWebアンソロ『マージナル~』からの流用でした。

 そういえば戴←翠←五も考えたけど、これは戴←翠←七よりドロッドロの修羅場になりそうな予感。私は小五にそんな事をしてほしくない。
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