オリジナル水滸について語ってみる ６

　頭の中が水滸伝、ってーか中国中世に汚染されつつあります。何かあの時代の風俗とかが色々分かる資料ねぇかなー。……漢籍？　現地の本（未邦訳）？　勘弁して、漢文は何となく、中国語なんか全然読めないの！
　とりあえず、『水滸後伝』読み終わったら『東京夢華録』に手ぇ出すかなー。北宋末の、日本のバブルも真っ青なバブル景気だった開封の様子が色々分かるらしいし。
　おっと、それはそれとして、今日も今日とて頭の可哀相な簾屋式オリジ水滸語り、始めるよー。

　はいそれじゃー行くよ！
　前回の李俊さんに続いて、明星でしか水滸を知らない（このサイトをご覧のほとんどの）方には最早誰が誰だか分からない、そして創作水滸をやっているサイトさんを見ていると「あー、そこまで重要視されてないなー」と思ってしまうキャラ付けばかりのこのお人！


　　　地鎮星　小遮攔　穆春

　・簾屋式李俊の嫁、二十四歳
　・この人が女性で、かつ李俊さんの嫁になってしまったのは、リンクテキストにも書いた通りまず生存組だからです。江州勢の生存者は戴宗、李逵、李俊、童威、童猛、穆春。性別転換ありで更にカップリングも捏造してしまうのなら、李俊嫁は江州勢の中から調達したいし、かつ、この中でそういう設定を付加してもＯＫそうなのは穆春しかいなかった。というトンデモな理由で穆春は女性になり、李俊の嫁に納まりました
　・まあもっとトンデモな理由を言ってしまえば、北方水滸の穆兄弟の下に妹がいて、これが李俊に惚れてたら穆兄弟キレるどころの騒ぎじゃねぇなー、という夢小説的な妄想をもう少し自然な形で実現したかったんですごめんなさい
　・それはそれとして穆春女史の詳細設定をば
　・気風が良くて筋の通らない事が嫌いな姐御。掲陽鎮の顔役で李俊の嫁という設定なので、これくらいの性格補整は認めていただきたい
　・元顔役で専業主婦だから、小器用に色々出来たりする。だから梁山泊参加後に大工の手伝いとか酒造りの手伝いとかやらされても何とかなるよ！
　・さて、一体何をどうやったらこの人が李俊さんと結婚するか
　・穆春お嬢さん（十四歳）、掲陽鎮にて李俊さんと遭遇。一目惚れしたらしい
　・そこから始まる穆春お嬢さんの猛アタックとキレた馬鹿兄・穆弘による李俊との対立。軽くロミジュリだが、中身はそんなメランコリックなもんじゃねぇ
　・で、その四年後、穆春お嬢さん十八歳の時に「何か面倒な事」が起こった
　・これがきっかけで李俊さんは穆春お嬢さんを嫁にしたわけですが、一体どんな事が起こったのかは色々と割愛
　・穆春「あたしは小遮攔。混江龍さえ遮ってつまずかせた女よ。あんたたち雑兵ごときにどうにか出来るとは思わない事ね！」
　・そんな啖呵を切って戦う、穆春女史は水軍揚陸強襲部隊の隊長です。北方水滸・楊令伝の項充の水陸両用部隊や狄成の赤手隊のようなものと思っていただけるとありがたい
　・旦那が指揮する船団の一番先頭にいて、衝突と共に敵船に斬り込んでいく専業主婦にして二児の母。……何だろう、このもの凄いギャップ
　・武器は鉈で考えてます。李応辺りから飛刀を習わせてもいいなぁ
　・さて、旦那の李俊さんは晁蓋君に割りと肩入れしているんですが、穆春女史は宋江お嬢様にガチで入れ込んでいます
　・厄介な兄貴がいるせいで恋が上手く行かないところを自分に重ね合わせているのもあるんだが、それとは別勘定で穆春女史は宋江お嬢様に恩がある
　・いや、一番の恩人は薛永さんなんだが、その話は長くなるので薛永さんの回で
　・で、宋江お嬢様の恋を邪魔する梁山泊馬鹿兄の会が目下のところ目障りなので、粛清をマジで目論んでいる
　・梁山泊女性陣で一、二を争う武闘派なのでかなり血の気が多い。戦闘時もいつも最前線に出ていきます。そして傷だらけで帰ってきます。だが旦那はそれを止めないし穆春女史も止めてほしい素振りを見せない。何故か
　・李俊「俺について戦うと決めたのは春だ。春は、やると決めた事はやり遂げる女だ。俺があいつにしてやれるのは、戦場であいつを上手く使ってやる事だけだ」
　・穆春「あたしは、何が何でも俊さんについてくって決めたの。止めてほしい？　冗談じゃない！　そんな弱腰で長江の暴れ竜の女房なんかやってらんないわよ！」
　・ラブラブでもあり、お互いを信頼してもおり、まあ要するに穆春女史には簾屋的「李俊の嫁」像の理想が詰まっているのでした


　結局李俊さんと切り離して語れなかった……。しょうがないか、簾屋式じゃ夫婦だし。
　次回オリジ水滸語りは、穆春女史の馬鹿兄・穆弘――と見せかけて、恩人の薛永さんでお送りします。
　ところでそろそろ江南組から山東方面に軌道修正したいんだが、どこで出来るかな……。劉唐とか公孫勝とかに行きたいのに行けない。どうしよう。